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Channel: 崔吉城との対話
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集客と観客

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 シャーマニズムからの教訓を思い出す。あの世へ送る使者が語るムーダンの口寄せ、「早く行きましょう」である。これは死霊をあの世に連れていく使者が語る台詞、「履物を履きなおすからちょっと待ってくれ」という人に死を催促する場面で語る言葉である。最近、私は使者に「書き終わるまで待ってくれ」と頼むような心情である。先日の過労で体調を崩し、年齢を過剰に意識するようになった。私のような年代の人はみなそのように考えているのかもしれない。世間に認められなくとも自己完成が本当の成功と思って生きてきた私は「未完」より完成を望んでいるのかも知れない。
 4回目の「楽しい韓国文化論」が始まった。韓国だけでなく、さらに東アジアへ視野を広げるために来年からは「東アジア文化論」に変えた方がよいのかもしれない。先週行われた小林孝行氏の「日本の演歌と韓国のトロット」が長周新聞によくまとめられて掲載された。竹下一記者は「日本と韓国の間の政治に期待できないなかで、文化を通して相互理解を深め、平和を築こうと論議になっていると書いた。今週は私が塾長を務めている絹代塾で津田なおみ氏が「映画監督田中絹代」を講演する。これらの行事を計画する人はいつも集客に心掛ける。しかしその本人は他の行事にはあまり参加しないのが常である。自ら観客になろう。それが交流である。

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