この小さい地方の都市でも様々な贅沢な芸術文化活動が行われている。昨日今から約100年前の名画を見に下関市美術館に行った。ポスト印象派、キュビスムまでのヨーロッパ絵画、ルノワール、セザンヌ、ファン・ゴッホ、近代日本の芸術家たちによる作品を鑑賞した。北山清太郎作の日本最初のアニメーション「浦島太郎」や「猿蟹合戦」も楽しんだ。高齢者には無料、居眠りしているような老後生活に新鮮な刺激を与えるものであった。私は高校時代に文化人になろうと一生懸命ただただ観に歩いた時を回想した。展示の全体からの印象では女性ヌード絵が多く、当時の女性たちはヌードで生活したのかと思われがちである。女性のヌード、花などの美が溢れる生活を理想郷、そして天国を表したのかとも感じた。ヌードたちは骨が見えなく太肉美であり、整形美容摂食型痩せ方女性はいない。大型の後姿のリアルヌードの前では圧倒されてしまい性も美も感じにくくなった。ヌードの鑑賞は年齢によって異なる。また時代によっても異なるだろう。当時の絵には美しい花瓶はあっても生け花の美意識はない。
中村彝《カルピスの包み紙のある静物》 1923 年 茨城県近代美術館蔵↧