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Channel: 崔吉城との対話
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十五代沈壽官

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 フリーライター伊東順子氏から同人誌の『中くらいの友たち』を送っていただいた。伊東氏はフェイスブックの友から出会った方であり,すでに本欄で著書を紹介したことがある。本書は韓国暮らしの縁を持つ人たちの同人たちの文が載っている。私としては彼らの韓国体験を読み楽しむ一時である。途中驚く文に目がとまった。昨日読書会で紹介し議論した。十五代沈壽官氏の「1990年暮れのこと」である。

 弘益大学大学院受験の為ソウルにいた
 院長面接は何事もなく終え、引き続き総長との面談に臨んだ。
 「君がここで学ぶ2年の間に、400年の日本の垢を洗い流し、韓国の魂を腹に入れてほしい」
 僕は、失意の中で意を決して総長に告げた。「私はこの大学に入学しません。従ってマスコミの取材も受けません」。
 そう告げると椅子をたち部屋を出た。

 短気だということか、英雄談か、ハンマーで殴られたようなショッキングな節である。韓国のメディアには沈壽官は誇りの朝鮮人後裔、「名誉総領事」として韓民族の民族主義の象徴的な存在と盲信している。しかし日本人は沈壽官は全く純粋な日本人であると信じている。渡来人は皆韓国人あるいは朝鮮人と思うべきでなのか。ある韓国人たちは天皇を含め日本人は朝鮮人であると思っている。民族をはるかに超えている彼に総長の言葉はいかに幼稚な言葉であろうか。

 
 


 

 


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