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Channel: 崔吉城との対話
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寄留の民

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初めて病室から院内の売店に立ち寄った。外来の空間は清掃中であり、売店だけ正常な感、新聞雑誌、日常品、食品などが並んでいるのが斬新と感じた。世俗社会の象徴的なものである。これから社会へ復帰することを実感した。下関で旧友である鍬野保雄氏がお見舞いに来てくださった。彼は日韓の友好のために社会運動を続けている。特に11月23日日本人の朝鮮人差別、ヘイトスピーチをなくすためパレードを行ったという。韓国系はもちろん総連系の人も参加したという。
 EUのドイツ、イギリス、フランスなど先進国が難民の受け入れが問題となっている。日本でも労働力のために移民の受け入れなど政策や戦略のように解説されるがそれより深い意味がある。日本と違って西欧での最も基本的なことは、どの国、どの土地においても「人は寄留者」であるという聖書に基づく考えかたが横たわっている。「愛する者たちよ。あなたがたに勧める。あなたがたは、この世の旅人であり寄留者であるから、たましいに戦いをいどむ肉の欲を避けなさい。」(新約聖書:ペテロの第一の手紙:2章:11節;参考李仁夏『明日に生きる寄留の民』1987)国境という線を引いて領土として主張するようになって紛争や戦争が起こるようになった。その国民国家的を枠を超えてグローバル化を進めてきたEUが試練を受けている。それを支持しながら平和を模索してほしいと指導者たちに願うところである。

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