萩至誠館大学に着いたのは会議時間のかなり前であった。会場探しを兼ねて自然豊かな大学キャンパスを見物もした。ソウルから来られた平井氏と合流、会場へ、会長の原田学長が現われ、会員20余名、下関から懐かしい顔の藤川氏夫婦らが来られ、定刻に比較文明学会「対談」が始まった。私から「小倉先生へ」という題で質問から始まった。小倉氏は私が「吉田先生」と言った「先生」という言葉に韓国人から言われたのは異例であること。朝鮮侵略の思想者として扱われる吉田をどうして「先生」というのか、私曰く、朝鮮の儒学、朱子学、実学と言われても近代的な思想にいたらなかったこと、その教育がこの萩で始まったことには注目すべき、さらに教育者として意義は評価されるべき、客観的ではない学者は学者の資格がないと断言した。そして小倉氏から慰安婦問題への質問、私は日韓どちらも味方をしない。どちらかを応援する面白さがない。しかし注目はしている。萩の友人金優氏が読んだが著者の意見がないのが不満のように語ってくれた。萩には韓国からの観光客が増えて嬉しいと言う人もいた。来るのを喜ぶだけではなく、その何倍も韓国へ行くことを考えて欲しい。その往来が自然に日韓関係を友好にする。私は戦争賛美ではなく戦争から教訓を生かして、学問や教育に臨んでいると主張した。延々と長い懇親会、中牧会長と友情を深める時間であった。
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