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Channel: 崔吉城との対話
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戦記

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 戦記を書きながら黒岩正幸氏の『インパール兵隊戦記』を読むのは苦しくもあり、楽しみでもある。黒岩氏は私の10歳の2倍、記憶と記録が多い。それより私が同感する部分が多く感動した。慰安所に関しても詳しくはないが、触れている。ビルマ牛の話は残酷で辛くなるほどだが、ヤシの木に砲弾がぶつかって落ちるのを見て「花火よりきれいだな」と感じたいう。黒岩氏は運よく生還できたが不戦や平和を理屈に書いていない。しかし一行では済まされない内容が想像されるが省いている。戦争、軍隊へのメッセージは大きい。「軍隊では、善良な人間が無能者のラク印を押され、野獣のような品性のやつがしばしば英雄になった」と述べている。当時の戦地からはるかなる時間を経過した戦後の今も世間は戦場と似ているところがある。

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