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Channel: 崔吉城との対話
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六輔

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 定期健診のためにいつものように待合っていた。待合の人は多かった。その中から丁寧にあいさつしてくれて気が付いた元同僚職員、順番も偶然に私の番号が彼の次であった。ひと先診察室を出る彼に別れの挨拶兼ねて「大丈夫でしょう」と軽く言った。彼は病状を聞かれたような真面目な表情をした。病気のことは言わない、個人情報であること、私が失礼だったと思った。日韓文化の差を深く感じ、私はまだ日本文化に慣れていないと思った。韓国には病気を話す文化がある。そして周りが処方や治療の話をしてくれる文化がある。病院でのこと、故六輔氏の言葉を思い出す。
 医師先生は大学での講義中の話をし、病気の話はほぼしなかった。韓国からの留学生は優秀であるが漢字に弱いのが問題であると言った。ハングル専用政策が悪かったのか。英語にはラティン語か漢字がなくても良いのに、ハングルではどうであろう。漢字文化圏を無視することは無理であっただろう。国漢文のハングル政策が良かったかもしれない。


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