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Channel: 崔吉城との対話
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生き方の成熟

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九州大学韓国研究センター長の松原孝俊教授の定年記念エッセー集に寄稿するために古い日記を探して読んだ。日記には彼の名前が散在している。懐かしい。彼とは偶然のように会ったが必然の出会いだったと思った。多くの縁が一回きりになり、絶縁となった人も多い中われわれの友情は長く続いてきたことがわかる。その縁は40年近く脈々とつながり磨かれてきた。自分の日記を読むということは決して愉快なことだけではない。不快なこと、心痛いこと、難しかったことが想起されるからである。過去には現在より不快なことが多かったように思う。
 今植民地時代の日記を分析しているが、その記録者の心を大切にしながら読まなければならないと思っている。「歴史認識」という過去の不快な問題に触れている人が多い。多くの人は過去の不快感を感じざるを得ない。それは不幸なことである。過去に限らない。現在の人間関係でも不快なことが多々ある。そこに深く入り込まず、愉快に過ごせるようにすることが必要である。不浄の喪を開け、新しくなること、民俗学用語では「ケとハレ」の変化である。旧年から新年への流れ、それはただの節目ではない。生き方の成熟を意味するものである。

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