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Channel: 崔吉城との対話
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「美人天国」東洋経済日報へ寄稿文

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以前私がサハリンの同胞社会を調査した時に年配の人たちは息子がロシアの女性と結婚することを憂い、嘆いていた。若い時は美女のロシア人と結婚しても老後に苦労すると呟いていた。一方ある牧師は礼拝の説教でスラブ系ロシア人に美女が多く、羨ましいと語っていた。同胞の間では韓国系女性が美女だと言う話は聞いたことがなかったし、ロシア人に劣等感があるような印象さえ持った。しかし韓国は美人天国であると言われている。これに関しては疑問を持つ人もいるだろう。
美女の基準は絶対的なものなのだろうか。疑問である。民族によって美の基準は多様である。ヌード民族においては入れ墨、お尻の大きさが美と意識されている。韓国語の美しいということばの「アルンダップタ(아름답다)」は木が太くなったことを意味すると言われている。韓国の伝統的な美女は小柄、ふっくら体型、丸顔の女性である。しかし西洋からの影響によって長身、ほっそりした痩せ形に変わった。身体の魅力のポイントも変わった。
私の青年時代までは女性が口紅を塗ることはなかった。特に農村では口紅を塗ると品がないと言われ、妓生や売春婦のようだと蔑視された。化粧品の生産も遅く、日本の化粧品は人気があった。しかし最近は日本の女性が韓国へ化粧品を買いにいく話を聞くと激世の感がある。今では美人天国と言われている韓国。それは韓国人が特別に美的身体的な特徴があるからではなくて、美女を渇望する意識構造を指すものであろう。美を創造するのは芸術であり、素晴らしことである。
美人天国という言葉には違和感がある。化粧と美容整形手術の方法で美女を作りだすという印象があるからである。化粧は素顔にアクセントを付加したようなものである。その意味では化粧はペイントやお面を被ることなどとは異なる。ある美人やファッションをモデルとしてイミテーションを作ることは化粧のレベルを超えたファッション化やユニフォーム化になる。つまり美人型やスタイルを真似る外見主義を表すことになる。
韓国は化粧をはるかに超えて美容整形天国とも言われている。美容整形が多く行われており、特にまぶたを二重にする手術が多く、さらに鼻や顎、骨まで削る美容整形の手術を受ける女性も多いと報じられている。その美容整形が評判になって日本から韓国を訪ねる女性も多い。いわば海外のパッケージツアーなどメディカルツーリズムによって観光収入を高めている。
人は健康になりその上美しさを求めるのは自然なことである。化粧、装飾などによって個性を出すのは美しい。それは生活美といえる。しかし映像や画像の影響によって外見を重視する時代になって、外見主義が強調されて、美人天国を生み出すようになったのは残念である。そして美人から不美人までの等級化、差別化がなされ、圧倒的多数の劣等感を生み出す。外見より能力主義を重んずる社会が望ましい。自然体の人間にはそのままの個人美がある。

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