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Channel: 崔吉城との対話
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車両には読書をしている人は一人もいなかった

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 東京の市内の電車の中の風景から紙文化は消えたと感じた。以前は電車では本や新聞を読んでいる人がほとんどだったのに先日乗った車両には読書をしている人は一人もいなかった。代わりに携帯やスマートフォンを見ている人が多かった。出版社の方とは本が売れない時代であること、しかし長い歴史を持っている紙媒体の文化は消えないだろうということ、何より心配なのは読書による考える時間が少なくなることへの憂いの話になった。その代わりにテレビなど映像媒体が人の思考力を奪っていくのではないか。テレビを付けると消すのが難しい。人の多くの話題はテレビによるものである。テレビからラジオへ、ラジオから新聞へ、新聞から本への路程は遠くなっているようである。
 大学生が本を読まないで卒論を書くのが一般的であるとある教員が嘆いていた。1960年代のアメリカの未来学者たちが予告したようにインタネット時代になっている。ネットは通信手段だけではなく、遊び機能まで総合的に人間関係や社会構造を変えていく。その流れを止めることはできない。それに乗るしかない。インタネットが苦手だという暇はない。乗り遅れないようにすべきであろう。それを教育に利用することを本欄では繰り返し提案したことがある。しかし紙媒体文化も残すために努力しなければならない。新聞はテレビの解説にすぎないものとなってはいけない。書籍もネットでは接することのできないほどの内容、作り方を変えるべきであろう。ただネットを利用しただけの分厚いものになってはいけない。

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