今日2019.10.25の東洋経済日報コラムに朴仙容氏の拙著への書評が載る。日韓関係の悪化の中「韓日両国人の相互理解を進める解説書として評価」され、感謝である。
「帝国日本の植民地を歩く(花乱社)」だ。民族的なエゴのないニューカマーの著者(崔吉城教授・東亜大学)の力作。反日・親日に対する新しい視点のアプローチだ。アジアには反日文化圏と親日文化圏があると著者は言う。反日文化圏は朝鮮半島から大陸へ広がる。中でも韓国の反日感情が一番強い。台湾や南洋などには親日文化圏が広がっている。台湾では植民地時代の日本文化が日常の中に残り、台湾総督府の庁舎は中華民国総督府に利用され、観光スポットになっている。対象的な反日韓国の朝鮮総督府は植民地化された屈辱の象徴、存在を放置できずに破壊した。なぜ韓国の反日感情はそれほど強いのか。著者は反日の本質を理解するために植民地を研究、現地を訪ねて直接見聞きしている。帝国日本の植民地だけでなく、列強の植民地も歩き、その地その地の事情・事例を挙げ、その意味を考察しているが、著者自身が反日だ、親日だと指差され、憎しみの対象にされたこともある。韓日の「かけ橋だ」と言われ、嬉しく受け取っていると、突然その立場から突き落とされた苦い経験も多いようだ。著者を中立な人と評す人がいる。問題意識は強いが、文中には中立や客観性を意識した言葉の繕いはない。誤解を恐れる記述もない。植民地を歩き、見たまま聞いたままを考え、韓国人の反日感情の根源を探求し、韓日関係の悪化原因を率直に綴っている。韓日両国人の相互理解を進める解説書として評価している。