私の健康回復のために教え子や知人から良い健康食が送られている。それはどの国においても同様であろう。難病の患者には周り人がいろいろ治療法や薬効のあると良い食品が勧められる。手術直後から読み始めた『ガン病棟』(ソルジェニーツィン新潮文庫)には「カザフ人は百種類もの薬を作る」といい、腫瘍には「白樺の幹に生じる黒い醜い瘤」が効くと信じて探す話がある。私は日本の病院で33日間のICUと病棟生活の中でこの小説を読んだ。今読み終えて数週が過ぎた。なぜ長く読み続け、まだ内容が気になっているのか。ストリー性のある物語りでもないのになぜ読み続けたのであろうか。病院での感想も書いたように私には病棟を軍隊内務班、刑務所に似ている、一般社会と離れた施設で「檻の中」の生活を描いたものであることとして読んだ。
一般病室での入院室の患者たちとの関係の観察が貫いている。腫瘍を以て苦しみ、「手術台からまっすぐ霊安室へ」「注射は嫌」、共産主義体制への批判もあるがそれより関心があるのはソ連邦のカザフスタンにおいてさえ社会福祉があったことへのは印象的である。退院して歩いて新鮮さを感じ、少数民族(朝鮮人、日本人、タタル人、カザフ人など)モスクワ病院への希望医者との恋話もある。ガンと診断されて「ガンではない」と否定してから認め、死を覚悟するまで至る人間像を描いている。ガンという病を通じて、痛みと感謝、医者は恩人、死を前にした人間のさまざまな生き方、人生観の変化までが考究されている。一読を勧める。
一般病室での入院室の患者たちとの関係の観察が貫いている。腫瘍を以て苦しみ、「手術台からまっすぐ霊安室へ」「注射は嫌」、共産主義体制への批判もあるがそれより関心があるのはソ連邦のカザフスタンにおいてさえ社会福祉があったことへのは印象的である。退院して歩いて新鮮さを感じ、少数民族(朝鮮人、日本人、タタル人、カザフ人など)モスクワ病院への希望医者との恋話もある。ガンと診断されて「ガンではない」と否定してから認め、死を覚悟するまで至る人間像を描いている。ガンという病を通じて、痛みと感謝、医者は恩人、死を前にした人間のさまざまな生き方、人生観の変化までが考究されている。一読を勧める。