日韓関係の最悪の中でも「楽しい韓国文化論」を終え、韓国探訪に行ってきた。日韓関係の良し悪し、親日、反日に関係なく「楽しい」講座を続けて八年目になった。日韓関係の「最悪」の中で「楽しい」とは相応しくない。一一月韓国探訪旅行の案内役をした。
ホテル探しに以前、近く感じたが、大通を渡ることができずバイパスを捜して、地下道を降りて上がろうとしたが、六〇余段ほどの階段が数回、疲れて登れず階段の途中で、立ち止まっていた。ある高齢の男性が私の荷物を持ち運んでくれた。日本ではありえない韓国の人情である。
商店街の裏道の歩道は歩き難くい。よく見えない隅々まで福祉社会の道ではない。夏に見た「日本に勝つ」という大きい看板を思い出す。走る相手を追い越すことは容易ではないが、ぜひ日本に勝ってほしい。
タクシー運転さんに日本人客が減っているのかと、日韓関係を直接、話題にしたり質問したりすることは控え、問うと不満を爆発させた運転手もおられた。空港までのタクシー運転手の成氏は例外的に柔らかい。わけを聞くと下関で三年間運転する仕事をしたことがあり、国際結婚、日本人の妻(看護師)は下関出身であり往来する話、わが夫婦と同様、日韓関係が悪化しても夫婦や家族関係は全く影響されない。
滑稽な話は観光バスの運転手が道を知らずナビゲーションも持たず、釜山駅も知らなかったことである。道に迷い、目的地にたどり着くまでの時間のロス。大変困ったがびっくりして、あきれて、皆笑ってしまった。
蔚山でクジラ博物館を観覧した。資料は不足、建物に比してあまりも貧弱であった。国民の関心が薄いのか、私と同感のような表情をしている韓国の高齢者たちが外のベンチに座っていた。その隣に座って、数人と話を交わした。政治批判の話が長かった。私はほぼ言葉を発せず表情でフィードバックしていた。それを見た我がグループの人たちは私が偶然友人と出会って喜んで話していると思ったと言っていた。
昼食のための食堂、長盛香という食堂を探すのにも迷った。皆でバスから降りて探し、新らしく開発された、アワビ定食は美味しかった。
七〇〇〇年前のバングデ岩刻絵の所にたどり着くには遠く、険しい山道、山奥にあった。しかし川を挟んで向こうの岩に刻まれた絵を肉眼で見ることは出来ない。望遠鏡でみても分からない。遺跡だと言われても実物を直接見ることができず、図を以て解説するのを聞いた。何とシャーマンによるクジラの祭りだというストリーは一生シャーマンを研究している私の耳には入らなかった。貴重な遺跡があっても実物が見れないのは残念、延々と山道を歩いて降りた。近くで見れる他の遺跡には運転手が応じず行けなかった。
メンバーたちと釜山国際市場のモッコリ「食べもの通り」へ、たくさんの群衆が美味しく熱心に食べる。その風景は余暇も、美の空間もゼロ、私もそのただ食べるだけの群衆の一人になった。
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「韓国文化探訪」東洋経済日報コラム2019.12.20
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