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Channel: 崔吉城との対話
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ノーベル医学生理学賞

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ラグビーの試合のニュースがテレビなどで連日で報じられている。そのスポーツ人口がそれほど多いとは思えないが国民的に嬉ばしいようである。おそらく多くの人はそのスポーツのルールはあまり詳しく知らないが「日本が勝った」ことが嬉しいのである。昨夜緊急ニュースでノーベル医学生理学賞に日本人の大村智氏(80)が決まったと伝えられて、大きい大きい国民的な嬉びが広がっている。しかし多くの国民は彼の業績は知っていない。つまり今まで彼の研究の内容「寄生虫によって引き起こされる感染症の治療対策研究」も知らない、周辺の人たち以外の人々にとっては無名な(?)存在であったのに、国民が大いに喜ぶのはなぜだろう。人気俳優やタレントさんの結婚や離婚の話を楽しむメディアも彼に脚光を浴びせている。彼は美術にも通じた人だとのこと、彼のすばらしい研究業績にプラスして彼のお人柄も含む人格賞のようなものでもあろう。私にも嬉しさが沸いてきた。個人の喜びより「国の光栄」となっている。
 同じ分野で中国の方が受けており、東アジアの勝利ともいえるが、残念ながら韓国が欠けている。個人の研究と国家とはどういう関係であろうか。世界的に比較するといろいろあるとは思うが少なくとも日本社会には個人の研究者が一貫して安定して研究を続けるような環境が備わっているということであり、日本という国家の力と考えても良いであろう。個人の能力を発揮させるためには競争心がパーワーとなっていることから考えると韓国からも受賞者が出てもよいと思われる。しかし私の経験から言わせていただくと韓国では競争心に嫉妬心が加わり、協力することはかなり難しいという大きい欠点があるといえる。

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