読書会のメンバーの倉光誠博士が書かれた拙著『植民地歴史を正しく見る』に関する第2回目の3ページに及ぶ書評が届いた。ここに要約する。
韓国人の反日感情が反日文化圏で最も強く、北朝鮮より強い。政府が反日感情を増幅させた文化政策、反日教育などを実施したことが主要な原因である。その反日感情が日本との外交上の阻害要因になっている。反日感情の程度が植民地の悪政と比例するとはいえない。歴史が悪かったから現在も悪いとは限らない。植民地時代より解放以後愛国志士(?)が多く現れた。それは韓国国内の「親日派」に向かって党争のようなものである。
言葉や映画・ドラマのなかに「言葉の暴力」が許されながら日帝残滓清算が行われている。日本の植民地の意識構造から完全に抜け出ていない。イェ―ツのことば「英国の植民地ということを意識から完全になくさない限り、自由になることはできない。」という。もっと根本的に人間として自由にならなければならない。
著者が再三指摘することに対して韓国ではどのような反応があるだろう。倉光氏は「著者の理性を失わない勇気に対して、日本国民としてどういう形でお応えしたらいいのだろう」という。韓国人から日本人に利用されているという批評があった。さらに彼は「安重根の暗殺は犯罪か、愛国行為かについて国家、民族の違いにより真反対の評価がでるので、正しい評価というものはむつかしい」という、安重根と伊藤博文の出会いは「小説より面白い」、「安重根はテロリストである」と本音を言う。テロリストはテロリストにすぎない。政治指導者が安重根に肩入れするのは間違いであると述べている。
*写真は今朝の朝日新聞掲載のワンアジア財団の講座の記事