昨日の読書会では生命倫理について議論した。長い人類史の中で人は食料を探して特に肉食をしながら移動してきた話である。ある人類集団が他の人類集団と殺しあってきたことに関することである。人類史とは残酷史であろう。しかし結ばれ混血を続けてきた人類史でもある。それで出来上がった多民族が真摯に平和友好になるのは可能であろうか。シリア戦争の映像を見ながら2千年前イエスが人類愛を訴えたその地域では不和と戦争は絶えず続く。人類愛の「愛」とはなんだろう。感情的なものと思われがちであるがフロムは『愛の芸術』で愛は知的であり、倫理や社会的なものと主張した。
今生命倫理や人権思想を強調する風潮が流行っている。私は釣りやハンテングの映像には抵抗がある。動物の生命を尊重し、菜食主義者もいる。モルモットさえ実験用でも殺してはいけないという。しかし肉は食べる。考古人類学専攻の鵜澤和宏氏は人骨にも人権意識があり、骨返還の民族運動もあるという。医学博士の倉光誠氏は死体を物体として考え、解剖するという。しかし解剖後には葬式を行うのはなぜだろうかと。