下関に住み十年過ぎ,自分では地元の人間と感ずるようになった。しかし住民の方々からはまだよそ者であろうか。地域の新聞の山口新聞のコラム「東流西流」に11月12月に連載することになった。取材を受けたことがあっても執筆ははじめであり嬉しい。OKした。友人の田辺正樹氏からの電話紹介、江口寿子記者がすぐ訪ねてきた。考古学が好き、今週の公開講座の講師である川村博忠先生のお名前を学生時代に聞いて知っていると嬉しい表情であった。掲載用の写真にポーズ、初めて新人オーディションを受けるようにフラッシュの光が室内を放った。
下関に住み初めころには港町、関門大橋、海底トンネル、フェリーふ頭など新鮮さを強く感じた。バス乗り場で待つ時や車内風景などのエッセーを書いて『下関を生きる』を自費出版したことがある。新鮮さから親しさに変わって、歩くたびに会う人はみな知り合いのように感ずる。すべての人が顔見知り、村生活のように感じている。しかし、もしかしたら片思いだろうか。排他的なところだといわれるこの町では異人のような存在ではないだろうか。「東流西流」、片思いはいつまで続くだろうか。
*逆取材のように江口氏と記念撮影