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Channel: 崔吉城との対話
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漢字文化圏といわれて、それが難点

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 昨日韓国の出版社社長と通話。以前は日本での出版における印刷などの価格が比較的に安い韓国、台湾、中国などに依頼することがあった。最近は費用的にそのメリットはほぼなくなっている。しかし私は別の意味でそのような印刷や出版を進めている。それは国家中心の出版から国際化への真の挑戦といえるからである。そこで難点が見つかった。漢字である。東アジアは漢字文化圏といわれているが、それが難点であることは皮肉なことである。漢字の略字、正字などの使い方が異なるのである。コンピューターでは国家によってソフトが異なり、特に印刷用のデザインなどのソフトが異なっている。例えばMSワードで作った原稿が変換の時、特に印刷用のソフトに入力する時漢字のフォントが化けるなどトラブルが起きる。
 それでもあえて日本語、韓国語、英語による『絵葉書から見る近代朝鮮』(全7巻)を韓国で出そうとする意味は大きい。先日最終編集会では国家中心の表現を越境的な表現に統一した。技術的にはグローバル化していくが文化的バージョンはそれほどアップされていない。日韓の漢字とフォントの調整、地名表記、インク、紙の質などはまだまだ問題が残る。さらに現地音で表記すべきか、国家中心か、簡単ではない。出版の国際化への道はそう簡単ではない。


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