Quantcast
Channel: 崔吉城との対話
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2349

魚は可哀想。

$
0
0
金子ミスズは魚がかわいそうだと言ったがまな板の鯉状態の私がかわいそうであった。そのまな板に乗る準備の時間は十分にあった。三冊の出版予定の本の原稿も出版社に送った。現地調査もインドを除いては終わった。民俗学会での講演はつらかったが、告別講演のようにした。演壇から降りたときは懐かしい方々のお顔がぼんやり見えた。中には本当に久しぶりに見えたひともいた。午後のスケジュールもインタビューもキャンセルして、すぐにホテルに戻った。ベッドにて安静にしているときは苦しく、死を考えた。その時、家内が添え寝をしてくれた。私は臨終の時と思った。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2349

Trending Articles