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「スペイン植民地」

 「1492」は小学校以来憶えているコロンブスの「新大陸発見の年」である。昨日ワンアジア支援講座の講義は鵜澤和宏教授の「スペイン植民地」であった。新大陸は無人地ではなかった。スペイン人は先住民に出会った。残酷極まりない征服があった 。数隻に亘る悲惨な歴史が続いた。

 彼らは、誰が一太刀で真二つに斬られるかとか、誰が一撃のもとに首を斬り落とせるかとか、内臓を破裂させることができるかとか言って賭をした。

南京虐殺の残虐の戦争物語のような歴史であった。しかし先住民と征服者の混合、独立の長い歴史があって、現在がある。征服と統合にはカソリックの宗教による歴史でもあった。残酷史はあっても信仰は生き残っている。インカ帝国が勢力を伸ばしていたがピサロはその帝国を征服した。そしてスペイン式の伝統に基づいて、リマ市を建設した。彼は暗殺された。スペイン人を頂点とする厳格で抑圧的な植民地支配の体制が確立されていった。多人種、国際化の社会に日本人が移住するようになった。本講義は長い植民地史と家根橋伸子教授の個人史的な調査に基づいて日本人の移住史が合わさって非情に面白くなった。議論すべき点が多かった。植民地残酷史の後でも継承されるのは国際化(移住、征服など)宗教の力である。私は植民地征服者のピサロの銅像が大統領宮の前に立っている写真を見ながら南アフリカの征服者イギリス人ローズ像を思い出した。ペルーの反日・排日は東アジアのものとは質が異なっていて、反日文化圏を広げて考察すべきであろうと感じた。私は今、南米へ残酷史の調査旅行に行きたいと考えている。

*写真:トルヒーヨのマヨール広場に Francisco Pizarro (スペインのペルー征服者) の像。

 


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