最近学内の教員の研究や講義を聞き、知ることが多い。昨日は1年生の教養科目「アジア共同体論」の講義で本学の山田千秋教授の講義を聞いてコメンテーターの役をした。教育学、それも授業法が専門の方の講義であり、期待が大きい。昼食をとりながら打ち合わせをした。黒板以外に使うことはないという。一年生、しかも留学生が多いのでゆっくり、分かり易く、話してくださるようお願いした。彼の授業法はどうであろうか。
「物語り」の話。人間は不思議なことに疑問を解決するために物語りを作る。「古事記」の創世神話から日本の「源氏物語」「竹取物語」などを例にしてソクラテスの哲学、フロイトの心理学などを含み、神話が展開された。このような物語りは疑問から始まる。そして物語りを書をくことができる。作家意識のようなものがある。人はそれぞれ物語りを作れる。フィクションには真実がある、決して無駄なことではない。現代はあまりも計測的なことが多いことも指摘した。
黒板だけを使い、説明式の彼の授業法は物足りないと思いながらも内容に大いに賛同、良い講義であることをコメントした。さらに自然科学、論理、計測、計算高い面とは異なるフィクションに真実があるということについて、私は愛情論も加えた。文学者がいない本学で文学概論として、教養科目としても有効な時間であった。私の高校、大学時代の勉強、また、シャーマニズムの神話を数多く出版したことを思い出し、感慨無量であった。