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崔吉城「植民地研究の断絶と継承」

 本欄は私の日記でもあるので時には辛いことも書くようになる。昨日は拙著英語訳の文をネットで読んだアメリカ人から「オーマイガット」賛嘆のメールをいただいたばかり、韓国の友人から最悪の内容のメールもいただいた。曰く、日本に留学したことから親日になり「反日主義者の奴ら」に非難されるようになったことが理解できるという。悩んでいる。研究者と非研究者、そして国家間の差によるものである。
 1980年代に巨文島で植民地調査、1990年朝鮮総督府刊行資料の『朝鮮の風水』を訳書出版してから非難されたことを振り返ってみる。当時は植民地研究はタブー、それを壊し、以降日韓において植民地研究が盛んになって来たのは研究史から確認できると思う。今も韓国では植民地研究で裁判問題を抱えている方、「反日種族主義」を主張して侮辱的に非難される研究者たちもいる。長い時期、広い視野から執筆を続けるしかない。先日出版された植野弘子・上水流久彦氏編『帝国日本における越境・断絶・残像』(風響社、2020)に寄せた論文の崔吉城「植民地研究の継承と断絶」を読んでいただきたい。


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