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Channel: 崔吉城との対話
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韓国の政治祭

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 「下野」という言葉は日本では耳慣れない漢字語である。今韓国では朴クネ大統領に向かって使っている。私は1960年の李承晩大統領の下野を覚えている。当時は政治不信はあっても李大統領にはカリスマがあった。「下野」によって世論は変わったが、その後自由化、民主化の過程は混乱状況であった。結局独裁者を招くようになり、朴正熙のクーデターにより軍事独裁時代になり、そして、大統領暗殺の悲劇、その娘朴クネ氏が大統領になって国民は失望している。このような戦後史は北朝鮮や中国は経験していない。独裁体制でまま安定している。おそらく彼らは民主主義を不信するだろう。選挙が民主主義の最後の防波堤であるがポピュリズム、人気主義により過ちを繰り返す。今の韓国は混乱と悲劇を繰り返している。
 昨日午後下関ある新聞の方から朴クネ大統領の辞任について意見を求められて驚いた。朴クネ大統領の談話は李承晩大統領の下野とはやや違う辞任表明である。政治的な空白を懸念したと思われるが野党は一斉に弾劾を避けようとする陰謀 "꼼수"だといい、弾劾の動きを続けるという。そして空白に入ろうとする。4.19革命は学生運動であって、政治家の存在は薄かった。今は政治家たちによっておこなわれる祭り式デモである。今の時点で安定してほしい。


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