8月15日が終戦記念日であることを18・19歳の日本人は知らないと報じられる。毎日が何々記念日であるから知らないのも驚くことではない。結婚記念日を覚えていないと叱れるのが夫であろうが、今年の8月6日が私共夫婦の結婚40周年記念日、私の出張などで、めったに一緒に過ごすことがなかったが、今年は二人で名古屋からの帰りの新幹線の中で一緒に弁当を食べた。ちょっと高級なアイスも食べた。家内は何も言わなかったが意識していたようだ。誰でも不幸な過去の記憶を失うことは良し悪しであるが、認知症は怖い。脳を働かせたいからいろいろ記憶するのかも知れない。韓国の留学生が日本の侵略史を教えてもらって反日になったのは当然あろうといった。個人にも辛い過去がある。それをただ記憶として持ち続けるのではなく、それを以て思考する、それが人生であろう。記憶をもって思考し、成熟する。
*写真上水流久彦氏ら編『境域の人類学』へ寄稿