美しく秀麗な文章を読みながら考える。私は大学に入るやいなや、たくさんの文章を書き始めた時、国文科の元老先生から文章を整えなさいと言われた。小説創作を志した私には大きな衝撃だった。田舎暮らしで語彙も乏しいことに気づいた。
読んだり鑑賞したりして評価をする評論家になろうとした。しかし美術や音楽について勉強したが、理論的には知っていても田舎出身の私は美術、音楽に接する機会はなかったし、その能力にも失望した。そこから研究者への道へ。そして恩師たちの言葉どおり古典文学、そして民俗学へ、後に文化人類学に定着した。そして、たくさんの本を書いたが、常に文章に対する関心から離れることはなかった。
長い縁で知り合った堀まどかさんの文を読んで感心。彼女の活動を見守ってきた。彼女のお母さんは俳句作家、お父さんは画家、彼女のおばあさんは私ととても親しい故堀麗子さんなど、数え切れない背景におられる方々を思い出す。
まどかさんの博士論文著書を読んだ感想が私の頭にしみている。今回出した本も、いい文章、いい内容だ。『野口米次郎と「神秘」なる日本』は秀麗な文章、素晴らしいレトリックで、読みやすいが深く読める。かつて日本文学を西欧に知らせ、今日の日本文化の水準を知らせる内容である。
私が執筆する上で大いに参考になる。韓国で1960、70年代にキリスト教の聖霊運動「オカルト」の気運が起こり、キリスト教が栄えた国になった韓国社会を説明するのに役立つ。
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『野口米次郎と「神秘」なる日本』
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