日本に留学した時ある日本人の医者から韓国人はキムチを食べ「ニンニク臭い」、風呂をしない「汚い」といわれたことがあった。当時私はそれが差別とも感じずどうしょうもなく、聞き流した。私はソウルの北方の田舎の農村生まれ、ソウルに転校した時、都会と農村の差に驚いた。また日本に来て驚いた。私の田舎での生活は歴史的年代記によると旧石時代や青銅器時代に似ていた。使い古して、でこぼこのなくなった石製のすり鉢を釘で打ちなおすのも鍋を直すのも面白くみた。朝鮮戦争中戦車、飛行機を初めて見た。人類史的に言うならば何万年の歴史が私に縮約されて迫ってきた。当然ショックを受けた。中学時代には糸電話遊びをした私にとって今のスマートフォンもショックである。それにまったく無関心な人、使いすぎの人とは人類史的に言うと数万年のギャプがあるだろう。
昨日の「楽しい韓国文化論」も楽しかった。日本では行政的に津々浦々で文化講座がある。大学で一般市民のために講座が開かれることは中国ではできないと聞いたことが耳に残っている。昨日石本会長がイントロ、私が講師を務めた。韓国の沐浴文化と日本の温泉文化を対比して説明し、今は多くの日本人はキムチが好き、韓国に垢すり風呂の旅に行く。北村皆雄氏製作映像「韓国温泉めぐり」(30分)を放映、韓国で死後、あの世に行くために洗霊祭をすること、私の不浄の意味に関する研究を紹介した。
韓国の温泉はほぼ日本植民地時代に開発された。歴史ある東莱温泉は日本植民地期に銭湯化、料亭、娯楽、遊興、酒、妓生、賭博の街になっていた。1970年代釜山市が行政的に温泉風潮を消すために商業地化、アパート団地にした。今温泉観光のために復元させようと、その伝統を消滅させた釜山市がいかに文化政策的に劣っているか、と聞く。開発に文化政策が重要であるかを改めて思った。
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韓国の沐浴文化
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