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Channel: 崔吉城との対話
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「絵葉書から見る近代朝鮮」

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 昨日の気象予報では寒さが強く報じられたが、よき秋晴れの日であった。ソウルから来られた方は日本は温かいという言葉を連発した。私の研究室で『絵葉書から見る近代朝鮮』(全7巻)の最終編集会を行った。ソウルから民俗苑洪鐘和社長と朴昊遠顧問、執筆者の浦川氏、総監修者の私が参加して日本文、韓国文、英文の検討、なにより重要なのは本題では熱く討論した。韓国文では「엽서로 보는 근대조선」、Post Cards of Modern Koreaときめた。日韓のフォント調整、地名表記など細かい作業が夕方まで続いた。新年早々発行を予定している。朝鮮以外に日本、満洲、樺太、台湾、南洋群島、その他30万枚以上の帝国の絵葉書の研究の出発点となると思う。これからその研究にも力を尽くしたい。監修文で次のように記した。 

 絵や写真を見るのも良いが絵ハガキには単純な画報や写真以上の意味がある。絵はがきは他の媒体とは違った特性がある。今のように映像が優先されるメディア時代を先行した媒体が絵ハガキである。より重要なことはその余白に個人的な通信が入る点であり特に魅力的だといえる。情報が少ない時代に先んじる画像媒体としての役割をしてきた絵ハガキを私たちは今どのように見てるのだろうか。当時の生活文化をリアルに見せている。当時日本人たちは植民地であった朝鮮文化の何を見て何を感じたのだろうか。私はこれを基に日本人が世界的な視点に立ち、積極的で肯定的に朝鮮文化を知ることを望んでいる。本書が道路の発達と観光、郵便制度の変遷、意識されなかった地方文化の発掘と再認識、今生きている伝統文化の源泉として活用されることを望んでいる。*写真左から浦川、洪、朴    

 

 

 


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